【後編】専門家に聴いた"シルバー人材が就職で気をつけたいこと"の今そして未来!
https://apj.aidem.co.jp/
アイデム人と仕事研究所とは、アイデムが人材採用による企業経営サポートの活動を行う中で、企業が「採用後の人材を活かし、企業力を高めていただく」ための各種情報・サービスの提供を続けているアイデムのグループ会社です。
今回、シルバー人材がこれから就職するにあたってどのようなことに気をつけるべきなのか、また企業はシルバーをどう理解すれば良いのか、人材と企業を良く知る経験豊富な該社所長の岸川さん、キャリアコンサルタントの波多野さんに弊社がインタビューを行った。
人と企業の両側面から見た 「シルバー採用」 について今、シルバーを取り巻く環境、企業を取り巻く環境、そして将来はどうなっていくのだろうか?前回に引き続きご紹介してまいります。
https://www.silver-gear.net/silvergear/2019042501/
前回「履歴書は、具体的に書き進めるようにする。」というところまでお話を伺いました。
ところで今、街では高齢者の方がスマートフォンを操作する姿を見かけることが増えました。どこにいてもインターネットから履歴書・職務経歴書の書き方や就職時のマナーなど豊富な情報が得られるのに、なかなかご自身では出来ないのでしょうか。
このような現状を踏まえ、波多野さんはこう言います。
実は、わたしたちの調査で今、50代~60代くらいまでの方は"仕事を探す"という意味ではインターネットはだいぶ普及しています。
ただ、実際には"探し方"だけに留まっていて、応募にあたっての情報を探すとか応募動機となる具体的な決め手になったか、という意味ではインターネットはそこまでシルバーの情報活用に寄与していないみたいです。
そう言われてみると確かにスマートフォンやiPhoneを操作していますが、画面はゲームだった気がします。ただ、ゲームアプリを探したり、ダウンロードしてプレイできるているのですから、今後はシルバー世代のモバイル活用にも注目する必要がありそうです。
多様化するシルバー人材の活躍シーン。「共感」が高齢化社会を生き抜くカギとなる。
目次
▶ 1.多様化するシルバー人材の活躍シーン。「共感」が高齢化社会を生き抜くカギとなる
2.「はたらく、ずっと輝く」仕事の不思議な力、人は働くことで輝く!?
3.老後を考える上で、今からでも遅くない。やっておきたいたった1つのこと!
4.終わりに
ところで少し弊社のシルバーギアサービスの話に戻らせてもらってもいいですか?実はインターネット以外に紙の広告も使っているので「パソコンやスマートフォンがないのでどうすればいいですか?」といった質問もあったりします。逆に現役感のある仕事にも意欲的な方もいらっしゃいますが、やはりみなさんをオールマイティに対応していくのは難しいものなのでしょうか?
そうですね、難しいと思います。職種で言えば本当に身一つで来てくれればいいよというような仕事だったりすると、前回お話した履歴書や職務経歴書って一切役に立たないことになるんですよね。
もちろん、その場合でも何曜日が空いていて、自分がどのくらい働けて、立ち仕事でも大丈夫とか、求めている仕事に対して具体的な情報を相手に与えてイメージしてもらうようにしなければいけないことに変わりはないのですが、これからどんどんシルバーの方も増えてきて働き方も活躍するシーンも多様化してきますよね。
そうですね。これからは企業やお店のお客さんも高齢化してきてシルバーがシルバーを接客するという構図になりつつあると思っています。
それはそれで、お客さん側だった人が働き手側になった時に、その経験を活かせるので活躍の幅も広がるのではないかなと思います。
本当にそうなんですよ。
実は、介護施設などでご高齢者のお話を聴く「傾聴ボランティア」というものがありまして、そこでの例になりますが、2人の傾聴ボランティアさんがいます。
ひとりは80代の傾聴ボランティアさんで、もうひとりは40代~50代の主婦の傾聴ボランティアさん。ご高齢者の方が70代~80代として、それぞれ単純に話を聴くだけなんですが、こういったケースでは80代の傾聴ボランティアさんに対してとても高い共感が得られるという事実があるんです。
一緒に軍歌歌ったり、その時代のお話を知っているので話が合うんです。「あなたは私のこと分かってくれている」となりますよね。そういった意味で、今おっしゃっていただいたところはまさに同じで「サービスを提供する側と受ける側が同じ目線となっている」のはこれからの時代、非常に重要なことだと思います。
それと、これもまた重要なことで、先ほどの"身一つで・・・"という職種の別角度の話をすると、労働人口が減少するからご高齢の方や外国人の方でもどんどん雇っていくという未来がもう見えているんですが、実はそれだけでは今後成り立っていかないんですね。
つまり、ただの労働力ではなくて「経営や事業運営に参加・参加していただく」という企業姿勢が今後必ず必要になってくるということです。
単純作業ではなく「同じような目線で、どのようなサービスをするのか」という形で事業に参画していただく時代になって行くと考えられています。
例えば、外国人の方なら外国人の方"ならでは"の見方やサービスの提供者が必要とされていくという考え方ですね。実はもう、これはある程度の企業などですでに準備が進められていたりもします。企業側も、働き手もお互いに"歩み寄り"や"近づく、近づける"というのは今、非常に重要なところまできているということですね。
それはやはり企業側にまだ様々な新しい戦力を受け入れる準備ができていないという現実だと感じます。
逆に労働側も"ただ作業して対価をもらう"という感覚の人もいますよね。
できれば「よし、経営に参加しているぞ!」「運営者のひとりとして、責任もってやるぞ!」というのはこれからはもっと大事になるかなと思います。
そうですね。そのような意識づけをいきなりシルバーになってやるというのもかなり大変なので、若いうちからオーナーシップを意識することは大事ですね。
みなさん"1人ひとりそれぞれ主人公です"という姿勢の方が組織行動力は高まります。シルバーの方だけでなく若いうちからオーナーシップをもって働くことを意識した方が良いと思います。
今、一般男性の場合ですが、60歳定年、継続雇用の義務付けは65歳で80歳寿命と言われています。広告でも人生100年時代といったキャッチフレーズもあるくらいですよね。すると定年後、まだ20年あります。
だったら一つの選択肢として、仕事をして社会とつながることで、やりがいをもってイキイキとした生活をすることもありだと思います。"人の役に立っている"という気持ち"が"やればできるんだ"という自己効力感にもつながります。やはり"はたらく"ということは、プラスに働く面がたくさんあるということです。
私たちの生活の身近でシルバー人材の活躍するシーンが増えたと感じます。このような社会事情を背景に「働き手がいない」のではなく、働き手の良い部分を伸ばす「創出」が今度ますます求められてくるのではないでしょうか。
前編でも話にありましたが、企業活動の中で営業や管理・経営の場では今後、豊かな経験や人物像もさることながら「世代の共感」こそ時代を生き抜くカギになるのではないでしょうか。働く人も雇う側も、年齢やバイタリティ、経験だけでなく「ホスピタリティ」に目を向けると人材活用、人材雇用の新しい形が見えてくるかも知れませんね。
「はたらく、ずっと輝く」仕事の不思議な力、人は働くことで輝く!?
目次
1.多様化するシルバー人材の活躍シーン。「共感」が高齢化社会を生き抜くカギとなる
▶ 2.「はたらく、ずっと輝く」仕事の不思議な力、人は働くことで輝く!?
3.老後を考える上で、今からでも遅くない。やっておきたいたった1つのこと!
4.終わりに
“仕事をするとイキイキとした生活が送れる。”実は、それを最後にお聞きしたいと思っていました。
特に男性に多いと感じますが、現役で働いている人はハツラツとしていて、家でのんびりしている人は見た目から老け込んでいる気がするんですが、実際そうなのでしょうか?それくらい仕事には不思議な力があるのでしょうか?
ある面では、そうとも言えると思います。
人には"認められたい"という承認欲求というものがあります。人によって様々だと思いますが、"仕事"を通して周囲の方に認めてもらうことで、承認欲求を満たせる人も少なくないのではないでしょうか。
もし、シルバー人材として新たな場を求めるのであれば、自分のやりたい事が実現できるのであれば、幸せだと思います。
家族を養うためやローンを払うために、ずっと頑張って会社員として働いてきたという方がいたとしましょう。例えば、実は料理が得意なので定年後は料理に携われる仕事に就いたとします。そうすることで充実感が増し、イキイキしてくることもあるでしょう。今までできなかった好きなことをやってみるのも新たなチャレンジとして面白いとは思いますね。
「やりたいこと」「すべきこと」「やれること」の重なりが大きくなるのですから。
なるほど。確かに人は "しあわせ" や "充実" は自分のことなのに、良くわからずあいまいなまま日々過ごしていることが多いですよね。自分自身を振り返って "自分の出来る部分" と "求められている部分"の重なる面積が大きいから「今、何となく充実してる」という風に考えると、少し客観的に自分を見られるようになりますね。
そうですね。単純ですけど自分を客観視する方法としては、やはり「Will - Must - Can」で整理するのは良い方法だと思います。 あらためて自分を見つめ直すいい機会になるのではないでしょうか。
やはり家にいるだけでは充実や幸せというのは、なかなか得られないものなんですよね。
そうですね。
確かに幸せ感を得るためには、やはり人と交わる必要があるんだとあらためて考えさせられました。
そうです、そうです。"誰かと関わる"ということは本当にすごく大事です。
定年してから一人でできる趣味にチャレンジしたけれど、1ヶ月で飽きてしまったという話は良く聞きますよね。
老後を考える上で、今からでも遅くない。やっておきたいたった1つのこと!
目次
1.多様化するシルバー人材の活躍シーン。「共感」が高齢化社会を生き抜くカギとなる
2.「はたらく、ずっと輝く」仕事の不思議な力、人は働くことで輝く!?
▶ 3.老後を考える上で、今からでも遅くない。やっておきたいたった1つのこと!
4.終わりに
実は、弊社で社会人サークルに入っている方に「なぜサークルに入ってるんですか?」と聞いたことがあるんです。そうしたら"健康もそうだけど、もう老後のこと考えてるんだよ。"と言われたことを思い出しました。
他にも町内会に参加したり、だいたいみなさん言われるのが、これからコミュニティがないと心配だからと言いますね。
はい、コミュニティの存在はありがたいと思います。諸説ありますが、人には3大欲求というものがあるといわれています。
これがないと生きられないという欲求ですね。ある説によると、
ひとつめは、ご飯を食べないと生きられないので食欲
ふたつめは、人は絶対に寝るという行動がありますので睡眠欲
もう一つ何だと思いますか?
実は"群欲"というものがあるんです。
人間の心理にある"群れたい"という意識のことを言います。
哺乳類にもともと備わっている本能なんですが、例えば、虎やシマウマもそうですよね。虎には虎の群れがありますので、虎はライオンの群れには入らないですし、シマウマも普通の馬のところには行きません。
人も同じなんです。
例を挙げるとしたら、ジャイアンツファンとタイガースファンがいて、ジャイアンツのハッピを着てタイガースファンの人の群れに行けますか?
ということなんですけども。行ける人は行けると思いますが、絶対に違和感は感じていて平静では行けないと思います。
それが仲間になりたい、似通っている者同士が集まる群欲なんです。
人間には“承認欲求”の前に“所属の欲求”があります。社会的なつながりというのは、人にとって大事なものだと思います。
“群れたい”とか“所属したい”という欲求があるので、社会的につながりがある方が人は健全かもしれません。
なるほど。ある程度は、やはり強制的にでも"何かに帰属している"それが大事ということですね。
所属の欲求は"働く"ということで自然と成立します。当然、ソフトボールや趣味のコミュニティに入ることも"関わり合い"を持つという意味では良いと思います。
「類は友を呼ぶ」で、似通った者同士は自然に集まります。共通点をもっていると、心理的に安心したりします。
確かにそうですね。例えば海外旅行に行って、日本人がいただけでうれしくなる気持ちを思い出しました。
歩いていて日本語が聞こえてきたとき "あ、日本語だ!おおお!!" って思いました! 笑
人は人と関わり合いを持つことが大切ですね。老後を迎える前にやっておきたいこと。それは人と「関わり合い」や「ふれあい」が出来る「たった1つ」の何かで構いません。あなたが「心地よい」と感じる関係をあらかじめ準備しておくと、充実した老後に一歩近づけるのではないでしょうか。
終わりに
目次
1.多様化するシルバー人材の活躍シーン。「共感」が高齢化社会を生き抜くカギとなる
2.「はたらく、ずっと輝く」仕事の不思議な力、人は働くことで輝く!?
3.老後を考える上で、今からでも遅くない。やっておきたいたった1つのこと!
▶ 4.終わりに
人と関わる、社会とつながるっていうのはすごく大事かなと思います。
例えばSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ですね。フェイスブックやツイッター、インスタグラムなど最近は増えましたが、バーチャルですが人とのつながりの一つです。
フェイスブックの「いいねボタン」は典型的な承認欲求です。みんなが「いいね」してくれるのでバーチャルであってもつながっているという実感が持てます。
リアル、バーチャルにかかわらず"つながり"というのは、とても大事だと思います。
結局、働くということは、自ずと社会性を持つことになります。だから引退すると、急に老け込んだりするというのは、ある意味当然かもしれません。社会とのつながりが無くなり他人の目も気にしなくなるのですから。一つの方法としてあえて自分から"はたらく"という社会性を創っていくことで充実感、自己効力感をもつこともできると思います。
今、仕事でストレスを感じるのも結局相手があるからだと思っていました。だから、いずれ定年して仕事から解放されたらどんなにいいだろうという認識でいたんです。でも、お話を聞いていたらやはり会社に帰属したいとか認めてもらいたいってなるんだろうな、ということが良くわかったので考え直します 笑
いえいえ、これもひとつの考え方ですから 笑
様々な選択肢があってよいと思いますし。
ただ、何らかの関わり合いというのは、できれば大事にした方が良いのではないでしょうか。
本当に、考え方はいろいろありますが 笑
本当に考えさせられますね。
とても参考になりました。本当にありがたいです。
いえいえ。ただ、いずれみんなシルバー人材になります。
若いうちから定年後のライフとワークは、考えておかれるといいかなと思います。
なるほど、そうですね。
今日は自分自身のことで、本当に勉強させてもらいました!! 笑
ありがとうございました!!