祝日・祭日・記念日について~意味のある日にち~

官公庁や企業・学校がお休みになる国民の祝日。何日あるかご存知でしょうか?
祝日が日曜日に重なってできる振替休日の数を合わせて2025年は合計19日。
日本は祝日が多いのに比べて有給休暇取得率が低いとよく言われています。
有給休暇取得は労働者の権利ですが、自分から申請しないと取得できないのに比べ国民の祝日は自動的に休むことができるため、気楽に休めるので祝日を心待ちにしている…という方も多いのかもしれません。
今回は祝日や祭日、記念日と呼ばれる、日にちに関する言葉の違いを考えていきたいと思います。
【知っていますか?「祝日」「祭日」「記念日」の違い】
「祝日」「祭日」「記念日」。
まずはそれぞれの違いをご説明いたします。
◆祝日:法律で定められた国民の休日
祝日は国が制定した休日で、日本では1948年に施行された「国民の祝日に関する法律」で定められています。
祝日には種類が3つあり、それぞれ
①国民の祝日…国が定めた会社や学校を休む日
②振替休日…祝日に定められた日が日曜日や他の祝日にかぶった時に、代わりの休みになる日
③国民の休日…前後が祝日である平日が休日になる日
というような規定があります。
日本で起こった大きな出来事や記念になるような日を祝日として制定しており、現在は年間で16日が「国民の祝日」とされ、制定された趣旨が定められています。
国民の祝日に関する法律や各祝日の意味などは内閣府ホームページ(参考サイト)にも詳しい記述があります。
◆祭日:かつて祭事を執り行っていた日
祭日は皇室の祭典や神社のお祭りなど、宗教儀礼を行う日です。
元は皇室祭祀令という宮中祭祀に関する法令があり、祭日が定められていました。
しかし1947年に廃止されたため、現在では祭日と呼ばれる日はありませんが、名前を変えて現在の祝日として受け継がれているものもあります。現在の祝日に受け継がれた祭日として、以下の6個があります。
○紀元節 → 建国記念の日
○春季皇霊祭 → 春分の日
○昭和天皇の誕生日 → 昭和の日
○秋季皇霊祭 → 秋分の日
○明治節 → 文化の日
○新嘗祭 → 勤労感謝の日
◆記念日:記念すべき出来事があった日
記念日とは、読んで字のごとく物事や過去にあった出来事を記憶しておくために記念する日です。
個人的なものだと誕生日や結婚記念日などがあり、公的な機関や企業などが制定した記念日もあります。
そして国が定めた記念日の中で休日になるものが「祝日」と呼ばれます。
つまり意味をつけた日にちを総称して「記念日」、その中で国が制定した国民の休日となるものを「祝日」、今では廃止されているが形を変えて祝日として存在しているものもある宗教儀礼を基にしているのが「祭日」というくくりになります。
【日本以外の国の祝日・祭日】
日本以外の国にももちろん祝日があります。
大体どの国でも制定されているもの、それは国が成り立ったことをお祝いする日です。
日本では2月11日の建国記念日がそれにあたります。他の国の例を少し挙げると、
1月1日:台湾「中華民国開国記念日」
6月2日:イタリア「共和国建国記念日」
7月4日:アメリカ「独立記念日」
9月2日:ベトナム「建国記念日(独立記念日)」
10月1日:中華人民共和国「国慶節」
10月3日:韓国「開天節」
など。
それ以外でもアイルランドのセントパトリックデー(3月17日)やキリスト教圏の国々で行われるイースター(4月上旬)、タイの万仏祭(2月24日)など各国の宗教行事と結びついた記念日がたくさんあります。
多くの国ではそういった記念日には国民総出でお休みになる場合が多いです。
日本と違い、公共交通機関はかろうじて動いていても、学校や官公庁のみならずお店や観光地なども大々的にお休みになる国が多いので、外国へ旅行される方は計画段階で目的地の祝日や行事を調べておくと良いかもしれませんね。
【どんどん出来る新しい記念日】
記念日の中には、まるで語呂合わせのような「○○の日」などもあります。
11月22日の「いい夫婦の日」や6月4日の「虫歯予防デー」などが有名ですね。
3月3日が「雛祭り」であるのと同時に「耳の日」でもあるように、元からある記念日にさらに別の記念日が追加されて、複数の記念日に制定されている日もあります。
それ以外にも企業が自社製品になぞらえて制定した記念日や、啓発のために制定された記念日などもたくさん存在します。
ちなみに記念日を登録することが出来ることはご存知でしょうか?
一般社団法人 日本記念日協会という団体が記念日の認定登録を行っています。
「記念日により日々の生活に潤いが生まれ、歴史が刻まれ、産業が盛んになり、社会的に大切な情報が多くの人に届く。それが記念日文化の向上であり、精神的にも個人と社会を豊かにすると考えています。」という趣旨のもと活動をしている団体で、登録のための審査(他社の権利を侵害していないか、反社会的な要素はないかなど多岐に渡る)があり、登録料もかかります。
登録料は1件につき15万円と決して安くはない料金ですが、日々新しい記念日が登録されているようです。
いかがでしょうか。日本にはたくさんの記念日があり、そして今も増えています。
ちなみに最も記念日が多い日は8月8日で68件の記念日として登録されています。次に多いのが10月10日、その次が11月11日。どれも数字がゾロ目になっていて覚えやすかったり、8は末広がりで縁起が良いとされていることから人気があり、そういった日にちが上位争いをしているようです。
自分の誕生日や結婚記念日などを「今日は他に何かの記念日なんだろうか?」と疑問に思い調べてみると、思ってもみなかった珍しい記念日と重なっていて面白いかもしれませんね!
【参考サイト】
「一般社団法人 日本記念日協会」
https://www.kinenbi.gr.jp/
「国民の祝日についてー内閣府ホームページ」
https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
「参議院法制局ー祝日でない記念日・週間・月間」
https://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column038.htm
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