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みんなのシルバーひろば

~立春・節分・春節~一年の始まりの行事

年始の慌ただしさが過ぎ去り、一息つく頃になりました。
現代では1月1日を新しい年を迎える一年の始まりの日として祝いますが、明治以前は2月の立春を一年の始まりとしてお祝いしていました。
東アジアでは春節と呼ばれる旧正月を、新しい年を迎える日として祝っている国々もあります。
今回は「立春」「節分」「春節」といった一年の始まりの行事について調べてみましょう。

○二十四節気のひとつ・春の訪れを告げる『立春』

春の訪れを告げる『立春』は、二十四節気のひとつとして位置づけられています。

【二十四節気】
紀元前に中国で発明された四季・気候などで一年の中に区切りをつける方法ですが、取り入れた際に中国との気候や季節感の違いを鑑みて、日本に合うように修正されたものを使用しました。
一年を春夏秋冬の4つに分け、ひとつの季節ごとにさらに6つに分けて区分しています。
四季のそれぞれの始まりが「立春」「立夏」「立秋」「立冬」と呼ばれます。

『立春』は二十四節気のひとつで、冬が極まり春の気配が立ち始める日とされています。
寒さが和らぎ始め、自然の息吹がよみがえる時期を指しており、古くから農耕社会において重要な指標とされていました。
明治6年に日本が新暦を導入して1月1日を元旦とするまでは、旧暦で立春の頃に元旦がめぐってくることが多かったため、立春は春の始まりであると同時に、新しい一年の始まりとして捉えられていました。
新暦で1月1日のお正月は真冬の感がありますが、旧暦の時代のお正月は立春の頃で季節としては春。
そう考えると、昔からお正月を祝う挨拶に「迎春」「初春」「新春」などの言葉をを使うのも納得がいくものです。

他にも今でも馴染みのある二十四節気として、
『春分』…昼と夜が同じ長さになる頃(3/20~4/3頃)
『夏至』…一年でいちばん昼の時間が長くなる頃(6/21~7/6頃)
『秋分』…春分と同じように昼と夜の長さが同じになる頃(9/23~10/7頃)
『冬至』…一年でもっとも昼が短く夜が長い頃(12/22~1/5頃)
などがあります。

○季節の節目の行事『節分』

『節分』とは、その漢字の通り“季節を分ける”行事のことです。
その季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日、つまり本来は1年に4回あるものです。
その中でも新しい1年を迎える立春の前日は、大みそかとも言える立ち位置なので、豆まきなどの節分の行事を行う日として現在でも大切にされています。

節分の歴史は古く、平安や室町時代から行われていると言われています。
この頃は今よりもさらに、季節の変わり目は病気や災害などに見舞われやすいとされていました。
そこで“立春の前日”という季節の変わり目に、人々に悪いことを為すものを追い払う儀式として節分の行事が広まりました。
節分は悪いものを追い出し、幸運を呼び込む行事として今でも親しまれています。

節分の行事として真っ先に頭に浮かぶ豆まき。
起源については色々な説がありますが、平安時代に宮中で行われた追儺(ついな)という鬼に見立てた病気や災害を外に追い出す儀式が由来と考えられています。
「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまく行事はポピュラーなものですが、大豆を投げるのはどうしてなのでしょうか?
古くから五穀(米・麦・粟・豆・キビまたはヒエ)には精霊が宿っていると言い伝えられてきました。
大豆(豆)は五穀の他の穀物と比べて粒が大きいので「精霊が多く宿る」とされ、邪気(総じて悪いもの)を払うのに最適とされました。

ただ千葉をはじめ、北海道・東北・信越・九州の鹿児島・宮崎などでは落花生をまくご家庭が多いそうです。
理由には落花生の産地であるという以外に、雪国では大豆より粒が大きい落花生のほうが雪の中に落ちた時に発見しやすいことや、殻のまま投げたほうが拾って食べる際に衛生的だから…など合理的な理由もあるそうです。
豆を投げた後には自分の年齢と同じ数の豆、または数え年の数の豆を食べる風習があるので、粒の大きい落花生だとお腹がいっぱいになってしまいそうですね。

○新しい年を迎えるための祝賀行事『春節』

『春節』は旧正月、旧暦でのお正月を意味し、中国語圏や東アジアの国々では一年で最も大切な行事とされています。
中国だけでなく、香港・マカオ・台湾・シンガポール・韓国・ベトナム・マレーシア・インドネシア・ブルネイ・モンゴルなどの国で盛大にお祝いされます。
国や年によって多少のずれがありますが、おおむね毎年1月の末~2月の中旬までに始まりの日があり、前後1週間程度の春節休暇がある国が多いです。
毎年そのくらいの時期になると、春節休暇で日本に旅行に来るアジア諸国からの観光客で観光地が賑わっていますね。
あまりにも日本への旅行客が多いため『春節=海外旅行』というイメージがあるかもしれませんが、実際は日本と同じように家族と一緒に過ごしたり、都市部から実家へ帰省したりすることが一般的なようです。
日本人が年末年始の縁起物として年越し蕎麦やお節料理やお雑煮を食べるように、それぞれの国で旧正月に食べる縁起が良いとされる食べ物もあるので、調べてみるのも楽しいでしょう。

ちなみに『春節』は中国語圏における旧正月の呼び名なので、他の旧正月を祝う国々では異なる名前がついています。
例えばお隣の韓国では旧正月の呼び方は『ソルラル(またはクジョン)』、ベトナムでは『テト』、モンゴルでは『ツァガーンサル』。マレーシアやシンガポールなどの中華系の人々が多く暮らす多民族国家では『チャイニーズ・ニューイヤー』と呼ばれています。

日本では明治6年から新暦で正月行事が行われるようになったため、現代では旧正月は馴染みが薄い行事になっていますが、沖縄や南西諸島など旧正月を祝う文化が残っている地域もあります。

時代や国・文化が違っても、新しい季節や一年を迎えるにあたりお祝いをしたり良い暮らしを送れるように願う心は同じです。
今回は立春・節分・旧正月の内容をご紹介しましたが、昔から続く行事の意味を学び直しながら日常生活に取り入れていくのも、生活の質の向上につながるかもしれませんね。

<参考>
・くらしを豊かにするメディア~くらひろ
 https://kurahiro.tepco.co.jp/media/living/6865/index.html
 https://kurahiro.tepco.co.jp/media/living/7076/index.html
・豆知識PRESS
 https://sk-imedia.com/11165

更新日:2024年月1月26日

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