歯の元気は健康寿命に繋がる◎

出典：ACワークス

歯には寿命があることをご存じですか。
正常な人の歯の本数は、親知らずを含めて32本ありますが、
60歳代では24.5本、75歳では15.7本まで減ってしまうといわれています。

生涯健康のために、80歳になっても自分の歯を20本以上保つために【8020運動】が推奨されています。
日本は、世界でもトップクラスの長寿国（現在の平均寿命女性は86.8歳、男性は80.5歳）ですが、
日本人の80歳の平均歯数は13.9本のため、20本以上の歯を保っている人の割合は世界的に見ても低いと言われています。
平均寿命も延び、人生100年といわれる一方で、日本人の歯の寿命を延ばすことが課題となっています。
今回は、日本人の歯の寿命や、歯を失う原因、さらに歯と健康の関係やメンテナンスについて紹介します。

＊歯の寿命はどのぐらい？

一般的に歯の寿命は60年程といわれており、50代後半から60代に歯が徐々に抜け始めます。
また、歯の寿命を短くしたり、失ったりする主な原因は、虫歯・歯周病の２つといわれています。
若いうちは虫歯によって歯を失い、
年齢を重ねるにつれ歯周病が原因で失う傾向が強いようです。
【未治療の虫歯がある】【歯周病が進行している歯】【クラウン(かぶせ)を装着している歯】などの原因で
失いやすいと言われますが、実際に歯を失うのはクリニックでの抜歯によるものが大半です。
抜歯する理由として、虫歯・歯周病・破折などが原因のため、
結果的に虫歯や歯周病は、歯を失う大きな原因に繋がります。

＊歯の寿命と健康

歯の寿命と健康は大きく関係しています。
自分の歯で物を噛むことは、健康に直結し、
さらに笑う・話す・食べるといった生活の質を左右する行動にも大きな影響を持ちます。

歯が健康でなくなり抜けてしまった場合、以下の症状に繋がります。
＊栄養不足で体が弱る
　・・お肉やお魚などたんぱく質の摂取が減り、噛めるものが減ることで筋力の低下にもつながる
＊固いものを食べなくなり脳への血流が減る
　・・頭部の筋肉の動きが減り、脳内の血量が減っていくため、認知症発症の可能性につながる
＊噛めなくなり消化器官に負担がかかる
　・・咀嚼せずに飲みこむことで内臓が十分に働かなくなり免疫力の低下につながる

歯が多く残っている人（義歯等を入れている人）は、
歯が少なく義歯も入れていない人と比較すると、年齢・治療中の病気や生活習慣などの影響を取り除いても、
その後に認知症発症や転倒するなどの危険性が低くなります。
つまり、自身の歯が多いほど要介護状態になる可能性が低くなります。

＊歯の健康寿命はメンテナンスが大切◎

歯の寿命を延ばし、健康に過ごせる期間を長くするためには、歯のメンテナンスが欠かせません。
かんたんに行えるメンテナンス方法をご紹介します。
＊毎日歯ブラシ+デンタルフロスで清掃
　・・歯ブラシで取れるのは６割程度。フロス等を使用して８割程度汚れが落ちたことになります。
＊ダラダラとものを食べない
　・・口の中に食物が入ると分解をしようとするため、口の中は酸性になり歯の表面が溶けだします。
　　　そのため常に食べ物が入っていると酸性の時間が長くなり、歯にとっては良くありません。
＊歯科による定期健診を受ける
　・・自分で取り切れない汚れを除去してくれます。
　　　噛み合わせや食いしばり、顎関節症など口から全身の健康を保つサポートをしてくれます。

以上の方法なら、みなさんも取り入れやすいのではないでしょうか。
まずは、80歳になった時に自分の歯を20本以上保てるように心掛けましょう。
これは義歯でも構いません。しっかり噛めることが重要です。
健康寿命を延ばすためには、自身の歯の寿命をできる限り延ばすことが大切といえるでしょう。

＊まとめ

歯の寿命を延ばすことは、健康寿命を延ばすことにつながります。
また、食べたいものをおいしく食べられる幸せは何ものにも代えられません。
体も心も満たされ、さらに元気になることも期待できます。

体ための健康診断を行うように、
歯の定期健診や予防処置を行いながら歯の寿命、更には健康寿命も延ばしていきましょう。

【参考】
◆一般社団法人:歯の寿命をのばす会 https://www.dentallife.info/
◆日本医師会（8020運動）https://www.jda.or.jp/enlightenment/8020/
更新日：2024 年2月9日