1滴の唾液で分かる！ AIで解析・評価する「がん」リスク検査

出典：イラストAC

日本人は、2人に1人ががんになり、4人に1人ががんで亡くなっています。

国立がん研究センターの2019年統計によると、一生のうち何らかのがんになる割合は（※1）、
・男性：65.5%（2人に1人）
・女性：51.2%（2人に1人）
→がんは、日本人の2人に1人が罹患し、誰にでも起こり得る病気なのです。

また、厚生労働省の「令和4年（2022年）人口動態統計月報年計（概数）の概況」による死因ランキング（※2）は、
・第1位：悪性新生物（がん）／全死亡者数の24.6％
・第2位：心疾患（高血圧性を除く）／14.8％
・第3位：老衰／11.4％
→日本人の4人に1人はがんで亡くなっているのです。

がんのステージ１の5年生存率は80％以上と言われています。辛い治療を強いられないために、そして手遅れにならずにがんを克服するためには「早期発見」が何よりも大切です。

がんの早期発見法には、ここ数年、革命的ともいえる事が起こっています。それが、だ液によるがんリスク検査「サリバチェッカー」です。何故、だ液でがんのリスクが分かるのでしょうか？今回は、この「サリバチェッカー」についてお話します。

サリバチェッカーとは

だ液＝saliva（サリバ）は、血液や尿と同じように健康状態を示す多くの情報を含んでいます。だ液中の成分の大部分は血液由来のため、がん細胞が出す特徴的な代謝物は血管を通り、だ液中にしみ出します。サリバチェッカーは、測定装置を用いてだ液中の代謝物濃度を測定し、さらに代謝物の量を健康な人と比較してAI（人工知能）が部位別にがんリスクを解析・評価します。

1度のだ液採取で、がん死亡原因の上位5種（※1）を含む6種類のがん（肺がん・すい臓がん・胃がん・大腸がん・乳がん・口腔がん）に、今かかっているかどうかのリスクを調べることができるのです。2020年から実用化された、新しいがんリスク検査です。

＜サリバチェッカーの特徴・メリット＞
１．だ液採取だけなので簡単、身体への負担もない
２．がんの種類（６種類）ごとのリスクを同時に調べられる
３．「今」のリスクが分かる（遺伝子検査のように生涯にわたってのリスクを予測するものとは異なる）

検査の流れ

（１）医療機関で検査申込み
サリバチェッカーを受けられる病院・クリニックなどの医療機関で、検査を申込みます。
検査を受けられる医療機関は、株式会社サリバテックのHP（※3）にて検索できます。

（２）医療機関でだ液を採取（約0.1cc）

～衛生検査所にて、だ液の成分を測定～

（３）検査結果を受け取る
検査実施日より約2～3週間後に、医療機関へ結果が届きます。
検査を受診された方へお渡しするまでの期間は、各医療機関により異なります。

医療機関に行かずに自宅で検査を受けるサービスもあります。自宅に届いた検査キットで、だ液を採って送るだけ！検査結果は後日、医療機関から通知されます。株式会社サリバテックのHP（※3）から申込みができます。

費用、注意点

今までにない画期的な検査ですが、費用についても気になるところです。サリバチェッカーは健康保険が適用されない自由診療です。検査費用は各医療機関によって異なりますが、おおよそ２～３万円です。安くはないですが、「父の日」、「母の日」、「記念日」などに、大切なご家族へプレゼントするのもいいかもしれませんね。

また、注意点として、サリバチェッカーは、必ずがんを発見できるというものではありません。がんを診断するためのものではなく、現在のがんリスクの高低を調べる検査です。高いリスク値が出て、がんの発見につながる場合もありますが、リスク値が低い場合でも、がんになっている可能性もあります。リスク値が高い場合は、早めに医療機関に相談してください。一方、リスク値が低い場合も、年に１度は健康診断、人間ドック、がん検診等を受けることをおすすめします。

まとめ

費用は少々高額ですが、ご自身や大切なご家族の「今のがんリスク」を知り、がんにならない、または早期発見のために、受けることを検討してみてはいかがでしょうか。

【参考・出典】
（※1）　
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」（人口動態統計）：https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
・日本人が一生のうちにがんと診断される確率（2019年データ）
・がん死亡数の順位（2021年データ）

（※2）
厚生労働省－令和４年(2022) 人口動態統計月報年計(概数）の概況：https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf

（※3）
株式会社サリバテックHP：https://salivatech.co.jp


更新日：2023年10月13日