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みんなのシルバーひろば

「ヒゲ」は男のファッション?アイデンティティ?

女性にはあまりなじみがないかもしれませんが、男性にとっては顔のパーツのひとつと言える「髭(ヒゲ)」。
毎朝剃ってしまう人もいれば、お洒落に形を整える人、伸ばしっぱなしの人、最近はサロンで永久脱毛…なんて人も増えていると聞きます。
ヒゲを生やす・生やさないは時代によって大きく左右されてきました。
近・現代ではファッションアイテムのひとつとして考えられるようになったため、生やすのも生やさないのも各人の個性として受け止められるようになりましたが、生やすのが当たり前の時代も存在します。
男性のヒゲの歴史を振り返ってみましょう。

○先史時代「生活必需品から身分を示すものとしてのヒゲ」

まだ文明が発達していない時代、寒さから顔を保護する目的や、戦いの際に皮膚を守る目的でヒゲを生やしていました。ロングヘアーの女性は覚えがあるかもしれませんが、真冬に首筋や背中に髪の毛がかかっていると寒さが緩和されませんか?ヒゲも同じ効果があったようです。
また文明が発達すると、ヒゲは権威や神性を表すものと考えられていました。壁画や肖像画で古代の権力者や神々が立派なヒゲを蓄えている姿で描かれていることからも分かります。

○中世「アイデンティティとしてのヒゲ」

ヒゲの有無は時代によって変遷します。
ヨーロッパでは

16世紀:ボリュームのあるヒゲスタイル
  ↓
17世紀:整えられた小さなヒゲスタイル
  ↓
18世紀:剃り上げられたヒゲ無しスタイル

と変遷していき、19世紀になると再びヒゲを生やすスタイルが好まれ始めます。

日本では15~16世紀の戦国時代に武士をメインとしてヒゲを生やすスタイルが流行しました。女性に対する男性らしさを示す記号・強さの象徴としてのヒゲが好まれていたようです。肖像画として残っている名だたる戦国武将はほとんどがヒゲを蓄えています。
ところが17世紀・江戸時代に入り太平の世になってからは上層の武士からヒゲを剃る習慣が広まり、ついには老人以外がヒゲを蓄えることを禁止した「大髭禁止令」が幕府から出されます。
ヒゲの流行があまりにエスカレートしたため、風紀を乱すと考えられたようです。

○近代~現代「ヒゲも多様性の時代へ」

日本では幕府にヒゲを禁止されてヒゲが無いことが浸透したため、以降「ヒゲは野蛮」という考え方が一般的でしたが、それも文明開化を機に変わっていきます。
幕末から来日し始めた外国人が立派なヒゲを蓄えている姿を目にしたことから「きれいに整えたヒゲを蓄えている=文明人」といったイメージに変わります。
以降は外国の流行を追うようにヒゲなしが流行したり、軍国主義が台頭するとヒゲが再び復活したり…と流行が繰り返されました。

戦後の高度成長期になると会社規則などでヒゲを禁止する傾向が強くなり、サラリーマンをはじめとする社会人の間でヒゲを生やさない傾向が強くなります。
反対に若者の間では反戦や反体制の意思表示としてや、国外の革命家の真似をしたりとヒゲブームが訪れます。
そしてそれ以外にもお洒落としてのヒゲが見直されはじめました。

現在では、きちんと手入れしてあるけれど無精ひげに見える「無精ひげ風」のヒゲや、スーツスタイルに合うヒゲなど、ファッションの一部としての“手入れされたヒゲ”が世間に受け入れられています。
格好よくヒゲを蓄えた著名人のスタイルなども後押しとなっているようです。
ヒゲを生やしてみたかったけれど諦めていたという方も、これを機に新しいスタイルに挑戦してみるのも良いのではないでしょうか?

<参考>
・貝印 https://www.kai-group.com/products/kamisori/column/history/
・UNIPHOTO PRESS https://www.uniphoto.co.jp/special/beard/

更新日:2023年月8月18日

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