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みんなのシルバーひろば

2020年の年金制度改正について、3つのポイントを押さえよう!

<はじめに>

令和2年5月29日、国会において「年金制度改正法」が成立し、同年6月5日に公布されました。この法律は、より多くの人がこれまでよりも長い期間にわたり多様な形で働くようになることが見込まれる中で、今後の社会・経済の変化を年金制度に反映し、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るためのものです。では、今回の年金改正で、どのような変更があったのでしょうか。シルバー世代への影響が大きい、3つのポイントを見ていきましょう。

<年金改正のポイント①:年金の受給開始年齢を75歳までに延ばす>

現在、年金の支給年齢は、60歳から70歳までの間です。その間なら、年金の受け取りをいつでも開始することができます。今回の改正により、2022年4月から75歳まで選べるようになります。受け取りを遅らせるメリットは、受給額が増えることです。年金をもらい始めるタイミングは、1カ月単位で遅らせることができ、1年間遅らせると8.4%増額します。70歳からもらう場合は42%増額し、75歳からもらう場合は最大84%まで増額します。ちなみに年金は65歳以前から早めにもらうこともでき、その場合はもらえる金額が減ります。1年早めにもらうと年間6%減額され、60歳からもらった場合、最大30%の減額となります。

【75歳までの繰下げ受給は得なのか?損なのか?】
年金の受け取りを75歳まで繰下げた時の損益分岐点は、11年10ヵ月後で、87歳以上長生きすると得になります。男性の平均寿命は約81歳で、90歳までは4人に1人は生きている確率になっています。女性の場合は、平均寿命が約87歳で、90歳以上はほぼ半数近い人が生きている確率になっています。(2018年 厚生労働省統計データより)平均寿命だけを見ると、女性の方が より年金の受け取りを先送りにすることで得をするように思われます。しかし、実際には生活・就業・健康状況などにより、個人ごとに「得になる受給年齢」は変わってきます。選択の幅が広がったことは、シルバー世代の方にはメリットだといえるでしょう。

<年金改正のポイント②:在職老齢年金の見直し>

60歳以降も在職しながら受給する老齢厚生年金を在職労齢厚生年金といいます。働きながら年金がもらえるものの、収入によって年金の支給額が減らされる制度です。現在は、賃金と厚生年金の合計額が月28万円を超えると支給される年金が減ります。これが2022年4月からは月47万円へと緩和されます。これは60歳から65歳までの方(男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた特別支給の老齢厚生年金を受給できる人に限られます)に適用され、65歳以上の方は現在でも基準が月47万円となっており、今回変更はないです。

【改正によるシルバー世代のメリット】
あまり働き過ぎると年金が減ってしまうということを気にしながら働かなくても大丈夫になります。

同じく2022年4月からは、65歳以上を対象とした在職中の老齢厚生年金受給者の年金額について、現行では退職後、あるいは70歳到達時にようやく働いた分が年金額に反映されるのに対し、今回の改正によって、毎年改定(再計算)が行われるようになり、早期に年金額に反映されるようになります。

【改正によるシルバー世代のメリット】
働いた分、年金が増えることを実感しながら働けるようになります。

<年金改正のポイント③:厚生年金のハードルが下がる>

パートなど短時間労働者への厚生年金適用が拡大されます。現在、パートなどの短時間労働者を厚生年金に加入させる義務を負っているのは、従業員「501人以上」という大企業のみです。この基準が緩和され、2022年10月からは「101人以上」の企業、2024年10月からは「51人」以上の企業にも、短時間労働者を厚生年金に加入させる義務が生じます。

【改正によるシルバー世代のメリット】
パートなどで働いていても厚生年金に加入することで、受け取れる年金が老齢基礎年金と老齢厚生年金のいわゆる2階建てとなり、年金額が増えることになります。さらに、厚生年金加入は勤務先の健康保険の加入とセットとなるため傷病手当金も受給できるようになります。

<まとめ>

いかがでしたでしょうか。
年金を受給されている世代の方も現役世代の方も、年金制度とその改正内容をよく理解し、うまく使いこなして、人生100年時代に備えましょう。

【参考】
◆厚生労働省ホームページ/年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html

◆Fin Tech journal 金融の未来を見通す情報メディア
https://www.sbbit.jp/article/fj/38166

◆MONEY PLUS
https://media.moneyforward.com/articles/4533?af=summary

更新日:2020年7月17日

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