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みんなのシルバーひろば

働くシルバー世代と労働災害

『働くシルバー世代』と聞いて、パッと思い浮かぶ姿はどんなものですか?

「警備員」、「コンビニ店員」、「タクシー運転手」、「清掃員」、「マンションの管理人」など、皆さんの身近でも見かけたことがあるという人が多いと思います。今や、『働くシルバー世代』の数は906万人。その存在は、世の中にとっても欠かせないものになっています。ところが、働く高齢者の中には、想像もつかない重いケガや死亡事故に見舞われている方々が後をたたないのです。
厚生労働省によると、労災は高年齢層になるほど発生率が増加。60歳以上で年間3万3,000件に上ります。全世代の労災自体は年々減少しているのに、高年齢層だけが高止まりの状態にあります。労働安全の専門家も、状況の深刻さに警告を発しています。

なぜ?多発する事故

シルバー世代の労働災害。例えば転倒すれば骨折しやすいので、一度労災が起きると休業日数が長く、死亡災害の発生割合も高い傾向にあります。しかも休業災害は、簡単な作業、いわゆる軽作業で目立っています。 例えばスーパーの惣菜売場で働くパートタイマーの皆さんは、働き始める前には、『家庭でも料理を作っているし、難しいことはないはず』と思いがちです。しかし実際に働き始めると、限られた時間で大量に作らなければならない。お客様を待たせてはいけない。このような状況に多々直面し、あわてて作業してしまい、それが原因で、包丁で指を切ったり、高温の油で火傷したり、小走りして濡れた床で滑って転倒したりして、数多くの労災が発生しています。(労働安全衛生総合研究所談)

雇用形態と労働災害の関係

仕事中や通勤中に、けがや病気になる労災の発生率は、高年齢層になるほど増加。前述したように60歳以上で年間3万3,000件に上ります。しかし仕事でけがや病気になっても「労災」と認められないケースが少なくないことが現状です。労災保険というものは、正社員に限らず、パートなど非正規の労働組合員を雇う企業すべてに加入が義務づけられています。それにも関わらず、労災が起きた件数より申請件数が少ない、または労災が認められないという状況が起きているのは、なぜでしょうか?
パートやアルバイトや派遣、いわゆる非正規雇用の方でも、職場で事故に遭う、あるいは通勤時にけがをしてしまうという場合には、必ず労災の対象になりますので、ぜひ申請してください。残念ながら、このことを知らない方が非常に多いのが現状です。
さらに最近は非正規どころか「非雇用」という形が増えています。例えば雇用されない個人事業主であったり、あるいはフリーランス業務委託契約というものです。これらはかなり労災申請のハードルが高くなってきます。それは個人事業主のため、法律上の労働者ではなく、労災保険の適用外になるというのが主な理由です。このあたりも、ぜひ専門家や労働組合に相談ください。

まとめ ~「シルバー世代」と労働環境整備~

環境整備というのは、例えば一時代前にあった女性の就業率アップを図った際に、女性が抱えている問題、例えば子育てを軽減するために夫婦共同で子育てをしようであるとか、あるいは子ども手当をきちんと支給しようなど、そうしたことをきちんと整備した上で女性を積極的に採用しました(まだ道半ばのような・・・)。
シルバー世代にも同じことが言えるはずです。労働人口の減少により、シルバー世代に白羽の矢が立ちました。その貴重な労働力確保のため、国は動き出しています。令和3年4月1日より施行される「改正高齢者雇用安定法」により、70歳までの定年引上げ、70歳までの継続雇用制度の導入、定年廃止、別の会社への再就職、フリーランス契約への資金提供、起業の後押し、社会貢献活動への参加支援、これら7つのうちのいずれかの選択肢を設けるよう企業に努力義務を課し、どれを選ぶかは企業と労働組合が話し合って決めます。それに伴い、シルバー世代を迎える環境を整えることが企業の課題となっています。
一方のシルバー世代。働かざるを得ない方、生涯働きたい方。「条件」、「やりがい」、「活躍」も大事ですが、まずは安全安心に働ける職場であることが大前提です。採用面接の際に一言「シルバー世代の労働環境整備に対しての取り組み」について質問してみてはいかがでしょうか。

参考:NHK クローズアップ現代+ 6月30日(火)放送 https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/189/index.html
厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000626609.pdf

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